野立て太陽光の検討 <再度>過積載はやるべきか?

以前のブログで、「過積載をやるべきか?」について書いた時は、設備の販売業者から提示された予測発電量を元に検討して、「過積載はやった方がよさそう。」という結論になったのですが、

その後、

そもそも、「予測発電量」って、どこまで信用していいのだろうか?

と思うようになってきました。
というのも、
今や、「過積載は当たりまえ」の状態ですが、いろいろ販売サイトなどを見ていると、低圧で年間10万kWh越えも平気で出ています。
まだ太陽光未経験の私ですが、「本当にそんなに行くの?」と思ってしまいます。

「予測発電量」ですが、NEDOの「日射量データベース」が業界標準になっているように思いましたので、そのデータを使って、計算してみました。
NEDO「日射量データベース」

今回、予測発電量を計算するにあたっての条件は、このようにしました。
 ・場所: 千葉県 千葉
 ・パネル方位: 真南
 ・パネル傾斜角: 10度
 ・パネル出力: 265W
 ・パネル効率: 16%
 ・パネル実面積: 1.6m×0.95m=1.52㎡
 ・パワコン効率: 95%
とりあえず、ケーブル等の損失と温度特性は考慮していません。

パネルの枚数は、3通りでやってみます。
1.パネル240枚
 パネル出力=265W×240枚=63.6kW
 パネル面積=1.52㎡×240枚=364.8㎡
2.パネル256枚
 パネル出力=265W×256枚=67.8kW
 パネル面積=1.52㎡×256枚=389.12㎡
3.パネル288枚
 パネル出力=265W×288枚=76.3kW
 パネル面積=1.52㎡×288枚=437.76㎡

NEDOのデータベースは、今回はMETPV-11のデータを使用しました。
一般的には、MONSOLA-11の年間平均の値を使用するかもしれませんが、今回は1日単位のデータを使いたかったため、METPV-11を使用しています。

METPV-11で、上記の条件を設定して、「一年分のデータをダウンロード」して、エクセルで365日分の日射量を合計すると、
年間日射量=5057.1MJ/㎡
という値が出てきます。
これをkWhに変換すると、
5057.1÷3.6=1404.75kWh/㎡
となります。
これに、パネルの効率とパワコンの効率をかけて、
1㎡当たりの年間発電量=1404.75×0.16×0.95=213.5kWh/㎡
となります。
そして、各パネルの枚数で年間発電量を出すと、

1.パネル240枚(63.6kW)の年間発電量は、
 213.5×364.8㎡=77884.8kWh
 (売電収入=24×77884.8=186.9万円)

2.パネル256枚(67.8kW)の年間発電量は、
 213.5×389.12㎡=83077.12kWh
 (売電収入=24×83077.12=199.4万円)

3.パネル288枚(76.3kW)の年間発電量は、
 213.5×437.76㎡=93461.76kWh
 (売電収入=24×93461.76=224.3万円)

となります。
いろいろな販売サイトでも、これくらいの数字はよく見かけるような気がします。

ところで、いくら過積載したところで、低圧ではパワコンは50kW以上出力しませんので、パネルが50kW以上出す能力があっても、その分は差し引いて考える必要があると思います。
上記の計算では、パワコンが50kWでリミットをかける(ピークカットする)ことは、考慮していません。

では、ピークカットされる電力量は、どのくらいでしょうか?

とりあえず、パワコンの最大出力を49.5kWとすると、パワコンの効率が95%なので、
パネルの出力が52.1kW以上(49.5÷0.95) になると、
リミッターがかかって、ピークカットされることになります。

パネルが52.1kW出力する時の日射量は、パネルの効率から逆算して、
(NEDOのデータに合わせて、1時間日射量が一定と仮定します)
52.1÷0.16=325.6kWh
となるので、1㎡当たりに換算すると、

1.パネル240枚(63.6kW)の時のカットレベルは、
 325.6÷364.8㎡=0.89kWh/㎡
 0.89×3.6=3.2MJ/㎡
2.パネル256枚(67.8kW)の時のカットレベルは、
 325.6÷389.12㎡=0.84kWh/㎡
 0.84×3.6=3.0MJ/㎡
3.パネル288枚(76.3kW)の時のカットレベルは、
 325.6÷437.76㎡=0.74kWh/㎡
 0.74×3.6=2.66MJ/㎡

となって、図にするとこんな感じです。
(カーブの形は日によって違うので、これは一例です)

ピークカットレベル

NEDOのデータから、このカットレベルより日射量が大きい部分を抽出して、1年分合計すると、

1.パネル240枚(63.6kW)の時のピークカット部分の日射量は7.23MJ/㎡=2.0kWh/㎡なので、
 パネル全体で、2.0×364.8㎡=729.6kWh
 パネルとパワコンの効率を考慮すると、729.6×0.16×0.95=110.9kWh

2.パネル256枚(67.8kW)の時のピークカット部分の日射量は38.08MJ/㎡=10.6kWh/㎡なので、
 パネル全体で、10.6×389.12㎡=4124.7kWh
 パネルとパワコンの効率を考慮すると、4124.7×0.16×0.95=627.0kWh

3.パネル288枚(76.3kW)の時のピークカット量は144.99MJ/㎡=40.3kWh/㎡なので、
 パネル全体で、40.3×437.76㎡=17641.7kWh
 パネルとパワコンの効率を考慮すると、17641.7×0.16×0.95=2681.5kWh

となります。
このピークカット量を、さっき計算した年間発電量から差し引くと、

1.パネル240枚(63.6kW)のピークカット後の年間発電量は、
 77884.8-110.9=77774kWh
 (売電収入=24×77774=186.6万円 (▲2661円))

2.パネル256枚(67.8kW)のピークカット後の年間発電量は、
 83077.12-627.0=82450kWh
 (売電収入=24×82450=197.8万円 (▲15048円))

3.パネル288枚(76.3kW)のピークカット後の年間発電量は、
 93461.76-2681.5=90780kWh
 (売電収入=24×90780=217.8万円 (▲64356円))

となりました。
ピークカットは思ったほど大きくないかもしれません。

なお、今回の計算では、日射量が非常に小さい時(パワコンが動かない時)のデータも、全て発電量に含まれてしまっていますので、実際の発電量は、今回の計算結果よりは少なくなると思います。
ただし、過積載量を増やすことによって、パワコンが動作する最低日射量が下がる方向になるので、その減少分は少なくなるはずです。

あとは、NEDOのデータをどこまで信じていいか?
ということがありますが、これは以前から使用されているものなので、それなりに実績があるのではと思っています。

今回は千葉のデータで計算しましたが、もっと日射量の多い地域なら、10万kWh越えもありそうに思えてきます。

改めて、過積載はやったほうがよさそうな気がしました。