太陽光パネル過積載、「力率一定制御」の影響は?

前回のブログ で、太陽光パネルを最大500%まで過積載した時の費用対効果を試算してみましたが、実は1つ気になっていることがありました。

それは、「PCS力率一定制御」の影響です。
特に、過積載の場合の影響が気になります。

この「PCS力率一定制御」は、配電線の電圧上昇対策として、電力各社が「お願い」している内容です。
力率一定制御採用のお願いについて

現在、この「お願い」は、高圧連係が対象となっていますが、いずれ、低圧も対象になる可能性があります。
系統連系規程[2015年追補版(その1)] で、低圧での力率一定制御の記述が追加されました。
この追加の元になった委員会の議事録 を見ると、低圧での採用について議論されていたのが分かります。

ちなみに、この「PCS力率一定制御」で力率を90%にすると、簡単に言うと、50kWのパワコンを45kWのパワコンにするのと同じことになります。(正確には、50kWのパワコンが定格電力を出力している時は、有効電力の45kW分が売電量にカウントされ、無効電力の5kW分は売電量にカウントされない)

電力会社の資料 によると、「年間発電効率への影響は、数%程度の減」となっていますが、特に、パワコンのピークカット機能を積極的に使う「過積載」の場合は、この影響は小さくないと思われます。

前回のブログ の過積載の費用対効果を試算結果をベースに、パワコンのピークカットのレベルを下げて計算しました。
 
パワコンの定格出力が49.5kWの場合、力率を90%にすると、
有効電力は、49.5×0.9=44.55kW
パワコンの効率が95%の場合、パネルの出力が44.55÷0.95=46.9kW以上の時にピークカットされることになります。
力率100%の時のピークカットレベルは52.1kWなので、ちょうど10%分、ピークカットが早まります。

力率90%の年間予測発電量を、前回の「年間予測発電量」のグラフに追加すると、このようになりました。
パネルが200kW位の時で、力率100%に対して約7%低下しています。

過積載年間予測発電量(力率制御)
 

同様に売電収入も、パネル200kW位の時に約7%低下しています。

過積載売電収入と設備コスト(力率制御)
 

以下の利益のグラフは、実線が力率100%、点線が力率90%です。
利益はかなり低下しています。
特に、設備コストが20万円/kWの場合、パネルを254kWにすると、赤字になります。

過積載売電収入と利益(力率制御)
 

以上、過積載で「力率一定制御」を行った場合の影響を試算してみましたが、特に、利益に対する影響は結構あると思います。
今はまだ低圧は対象になっていませんが、今後、パワコンの対応状況などによって、低圧も対象になる可能性がありますので、特に大容量の過積載を計画する場合は、この「力率一定制御」の影響は考慮したほうがよさそうです。