消費税よりも、法人税収が納得できない

「日本の財政が大変だから、消費税を上げないといけない」 と、言われていますが、
「消費税が上がると、みんなの財布のヒモが固くなって、消費が減って、かえって国の税収が減ってしまう」 という話も聞きます。

財務省の「税収に関する資料」 に、「一般会計税収の推移」があります。

一般会計税収の推移2016
 

今まで消費税を増税した後の税収を見てみると、

1989年 0→3%
消費税収3.3兆円に対して、税収の合計が4.1兆円増加。
消費税以外の税収は0.8兆円の増加。
89年は法人税の増え方が低下している。これは消費税の影響かもしれない。
その後、バブル崩壊とともに所得税、法人税とも右肩下がり。

1997年 3→5%
消費税収の増加が3.2兆円に対して、税収の合計が1.8兆円増加。
消費税以外の税収が1.4兆円減少している。
98年は、税収全体が4.5兆円減少。
この時期は所得税の減税の影響もあったようだが、結果的に税収が大幅に減ってしまった。

2014年 5→8%
消費税収の増加が5.2兆円に対して、税収の合計が7兆円増加。
しかし、2016年は消費税収が0.6兆円減少。
アベノミクスで景気はいいらしいが、2015年以降、所得税も法人税もあまり増えていない。

こう見ると、やはり消費税の増税は、経済のブレーキになっているように思います。
特に、97年の3%から5%の時は、その前の3年間、順調に税収が増えていたのを止めてしまいました。

2014年の5%から8%の増税の後は、なんとか税収をキープできている状態だと思います。
この状態でさらに消費税を増税するのは、どうなのでしょう?

一般会計税収の推移2016_2
 

それより、アベノミクスで企業の業績は良いはずなのに、法人税収があまり増えていないのが気になります。

財務省の法人企業統計 の「調査の結果」にある、全産業の「経常利益」を見ると、リーマンショックの後、右肩上がりです。

法人企業統計経常利益2016
 
特に、2013年(平成25年)以降は絶好調の増益ですが、法人税収はほとんど増えていません。

「法人税減税」のためだと思いますが、平成24年から利益が25兆円も増えているのに、法人税収がほとんど変わらないのは、ちょっと納得できないです。

この潤沢な企業の利益を活用することはできないでしょうか。

「内部留保課税」のような方法ではなくても、もっと企業が国内で投資したくなる環境や制度を作って、企業の利益が使われて、結果的に税収が増えるようになればいいと思うのですが。