「土地付き太陽光」の想定発電量とフリーの発電量シミュレーションの結果を比較

「土地付き太陽光」の物件紹介では、ほぼ必ず「年間の想定発電量」が明記されています。

「年間の想定発電量」は、その物件を購入するかどうかを決める上で非常に重要な情報だと思うのですが、そのまま信用していいのか、いつも何となく不安を感じているのが正直なところです。

年間の発電量は、場所とパネルの容量でおおよその見当は付くのですが、時々、「ちょっと多すぎでは?」と思ってしまう想定発電量の物件も見かけます。

そんな「年間の想定発電量」ですが、今回、誰でもフリーで使うことができる発電量シミュレーターを使って、現在販売中の土地付き太陽光の物件の年間発電量をシミュレートしてみることにしました。

今回使用した発電量シミュレーターは、この2つです。

資源エネルギー庁のサイトの発電量シミュレーター
パナソニックの太陽光発電シミュレーター

シミュレートする土地付き太陽光の物件は、現在販売中の中から適当に3つ選びました。
それぞれ販売会社が異なると思われる物件です。

物件1.千葉県長生郡

年間想定発電量: 97111kWh
285Wパネル 324枚 合計92.34kW
パネル方位:南南西、傾斜角:10度

この物件を、近くの茂原市でシミュレートした結果は以下の通り
(パネル方位は真南で設定)

資源エネ庁のシミュレーター: 88105kWh (▲9.27%)
パナソニックのシミュレーター: 90251kWh (▲7.06%)

物件2.茨城県神栖市

年間想定発電量: 88067kWh
270Wパネル 280枚 合計75.6kW
パネル方位:南南西、傾斜角:10度

この物件を、近くの銚子市でシミュレートした結果は以下の通り
(パネル方位は真南で設定)

資源エネ庁のシミュレーター: 75332kWh (▲14.46%)
パナソニックのシミュレーター: 78609kWh (▲10.74%)

物件3.群馬県桐生市

年間想定発電量: 97631kWh
295Wパネル 288枚 合計84.96kW
パネル方位:南、傾斜角:10度

この物件を、桐生市でシミュレートした結果は以下の通り

資源エネ庁のシミュレーター: 84538kWh (▲13.41%)
パナソニックのシミュレーター: 87446kWh (▲10.43%)

どの物件も、紹介サイトに記載されている想定発電量より少ない値が出てきました。
ざっと、7~15%位少ない発電量です。
今回のシミュレーションでは、過積載のピークカットは全く考慮していませんが、考慮すればもっと少ない値になるはずです。

今回のシミュレーション結果が物件の想定発電量より少ない理由はいくつか考えられますが、影響の大きそうなものは、

1.各種補正係数の違い
2.日射量データの違い

があると思います。

各種補正係数は、太陽電池の損失やパワコンの効率などの係数で、シミュレーターによって異なると思われます。
パナソニックのシミュレーターは、パナソニックのシステムに合わせてある可能性があります。

日射量データは、今回使ったフリーのシミュレーターはNEDOのデータベース(MONSOLA-11)を使っていると思われますが、このデータは最近の実際の日射量より10%位低い場合があります。
(参考)実際の発電量がシミュレーションより多い理由(その1)

おそらく、物件の想定発電量を求めるのに使用しているシミュレーターは、最近の日射量データを使っている可能性があります。

最近の実際の発電量より少なく出るNEDOの日射量データより、実際に近い発電量が出る最近の日射量データを使った方が、営業上も好ましいことは明らかです。
この辺の情報は、販売会社に聞けば分かるのかもしれませんが・・

というわけで、物件の想定発電量が今回のシミュレーション結果より多いのは、「最近の実発電量に近い値になっている」と言えそうです。

ただし、過積載率が大きくなってくるとピークカットの影響が出てくるので、その分は割り引く必要があると思います。

ピークカット率(一例)

今回使ったフリーのシミュレーターは、

・最近の日射量を元にした発電量より10%程度少なく出る。
・過積載率が大きい時はその分を割り引く。

ということを考慮すれば、ある程度、物件の発電量の検証に使えそうな気がします。