そもそも再エネの出力制御は公平ではありません

先日、九州本土で実施された大規模太陽光出力制御ですが、経済産業大臣も述べている「公平性」は、実際には公平ではありません。

NHK出力制御20181005
NHK NEWS WEB(2018/10/8)

出力制御の公平性に関しては、
なっとく!再生可能エネルギーの法令集・契約関係
出力制御の公平性の確保に係る指針
に記載されています。

出力制御の公平性について
出力制御の公平性の確保に係る指針

発電所によって、出力制御を実施する日数が違っても、出力制御によって減少する発電量が違っても、「手続き上公平」なら公平である。
ということです。

では、「手続き上公平」とはいったい何だ?
ということになりますが、これは「出力制御の機会が公平」ということのようです。
この「出力制御の機会」ですが、
簡単に言うと、「各発電所の出力制御を実施する回数」
の事だと理解しました。
(誤解があればご指摘ください)

1日の中の数時間を1回として、それを年度単位で発電所毎になるべく均等なるように割り当てれば、公平性が確保されている。
ということのようです。

そもそも、太陽光や風力は、日によっても、時刻によっても、立地条件によっても、発電量は変わってくるので、全ての発電所の発電量を公平に制御することは現実的に無理だと思います。

太陽光発電所で、10月に割り当てられた場合と5月に割り当てられた場合では、発電量に与える影響は結構違いそうですが、そんな事は関係ないようです。

また、現在導入されている出力制御のシステムも、公平にはなっていません。
66kV以上の大規模な発電所は、電力会社と専用線で接続してリアルタイムで出力制御することができるので、実際の需給状況に応じて制御量をコントロールできますが、それ以下の発電所はリアルタイム性はありません。
出力制御をインターネット経由で行っている場合は、システム上は最短30分程度で制御スケジュールを更新できるようですが、実際の運用は電力会社次第です。
山間部などの通信が困難な発電所は、出力制御のスケジュールを年数回しか更新しないので、制御量が大幅に増える可能性があります。

(参考)
九州電力の出力制御実証事業 のページにある出力制御の仕様書
(資料1‐1)出力制御機能付 PCS(66kV未満)技術仕様書
出力制御機能付PCS技術仕様書(66kV以上)(平成29年6月1日更新)

この出力制御ですが、「公平性」という大義名分のために、必要以上に出力制御が実施されるのではないかという懸念もあります。
「年度単位で出力制御の機会を均等にする」という方針になっていると、出力制御の量が多い方向になってしまうのではないでしょうか。

本来得られるはずの再エネを捨てて、火力を増やしてCO2を増やすという、時代に逆行した安直なやり方は、考え直してもらいたいです。

それにしても、「手続き上公平」とか、「出力機会の公平」とか、これは役人用語というものでしょうか。
いろいろな言葉を持ってきて、出来る限り分かりにくくしているようにしか思えません。
こういう言葉のゴマカシは、もういい加減にしてもらいたいものです。