原発は、やめられない、とまらない

今日、四国電力は伊方原発3号機の原子炉を再起動したそうですが、原発というものは、そう簡単にはやめられないもののようです。

各電力会社は、原発の安全対策のために、巨額の費用を投入する見通しです。

原発の安全対策費の推移
朝日新聞デジタル(2018/8/23)

関電と九電は1兆円近い金額です。
原発を新設できそうな金額ですが、「安全対策」であれば、すんなり進めることができるのでしょう。

これだけお金があるなら、何割か再エネや蓄電池に投資すればいいと思うのは、私だけでしょうか。

原発に巨額を投資できるのは、原発が「金を生む装置」だからのようです。
目先の発電コストが安いというのもありますが、原発は巨額の固定資産です。

原発の発電コストのうち、約3割が減価償却費などの「資本費」です。

原子力発電コスト2014
長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告

火力発電の資本費は発電コストの1~2割程度なので、原発は高額な資産と言えます。
そして、高額な資産によって、利権が生まれているようです。

原発利権構造
 

原発がある市町村には巨額の固定資産税や核燃料税が入ります。
資産が高額なので減価償却費も高額ですが、そこは「総括原価方式」によって、しっかり電気代で回収できます。

総括原価方式
東京電力 電気事業と電気料金のしくみ

原発は償却資産なので、年々減価していくはずですが、安全対策のために巨額の費用を投入することによって、資産価額を上昇させることができます。

ちなみに、使用済核燃料も固定資産らしいです。
いったい何年で償却するのでしょう?
原発は、使えば使うほど資産が増える、すごい錬金装置ではないでしょうか。

どれだけ費用をかけても電気代で回収でき、地元自治体には税金が入り、関連・協力企業が儲かるという利権構造が存続している限り、

原発は、やめられない、とまらない

ということになりそうです。