新型コロナ、日本のデータは信用できるのか?
新型コロナに関する集計データに間違いがあったというニュースが頻発しています。
厚労省が死者・退院者数など大幅修正 東京都の死者は19人から171人に 新型コロナウイルス厚労省はこれまで都道府県から報告される感染者の情報を1人ずつ積み上げる形で集計し、公表していた。しかし、3月下旬以降、感染者が急増した都道府県から詳しい情報が報告されず実態と合わなくなっているため、9日から都道府県がホームページで公表する情報を集計する方法に改めた。
これにより、感染者数は大きく変わらないものの、8日時点の東京都の死亡者を「19人」から「171人」に、全国の退院した人と自宅・宿泊療養が終わった人の合計を「6583人」から「8127人」に大幅修正した。
死亡者数が19人から171人になるという、とんでもないミスだと思いますが、それまで気づかなかったのでしょうか。
厚労省のズサンな文化は今に始まった事ではありませんが・・
それにしても、厚労省の職員が各都道府県のホームページを1つ1つ確認している姿を想像すると、いろいろ心配になってきます。
実は、日本の死者数のデータがおかしいのは、WHOのレポートにも反映されています。
4月21日と22日のTotal deathsです。
2020/4/21
2020/4/22
Coronavirus disease (COVID-2019) situation reports
186人から277人に急増しています。
死者数が1日で1.5倍になるという異常事態ですが、現在もそのまま放置されています。
これは厚労省が22日以降、PCR検査の陽性者との突合せ確認中の人数もその日に含めるようにしたのが理由のようですが、そのような条件変更を密かに行うと、データの信頼性に影響する可能性があると思います。
また最近、東京都は感染者数の大幅修正を2回行いました。
(第332報)新型コロナウイルス感染症患者公表数の修正について(第378報)新型コロナウイルス感染症患者公表数の修正について76名分の増加(詳細は別紙のとおり)
未報告分 111名(追加)
重複分 △35名(削除)
47名分の増加(詳細は別紙のとおり)
追加分 58名
重複分 △6名(削除)
陰性判明分 △5名(削除)
東京都はこれらを過去に遡って修正することはせず、修正を発表した日の総数にまとめて反映させています。
そのため、患者数の総数が1日で急増する状態になっています。
2020/5/11
2020/5/12
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報
このデータは国家の新型コロナ対策の重要な方針を決定するための基礎データです。
こんな状態で大丈夫でしょうか。
先日のブログに載せたK値のグラフは、この修正の影響をまともに受けてしまいました。
5月11日から12日にかけて値が上昇しています。
この後、総数に修正が入ったことに気付いたので、過去に遡って1つ1つデータを修正して作成したグラフがこれです。
この2つのグラフを見れば分かるように、東京都のサイトのデータをそのまま使うと、いろいろな判断を誤る可能性があります。
緊急事態宣言の解除の話など、感染者数を小数点以下まで計算して比較したりしていますが、その元になるデータはちゃんと信用できるものになっているでしょうか?
先日、厚労省のサイトを見ていたら、こんな都道府県あての事務連絡を見つけました。
5月18日(月)24時時点で各都道府県が把握している18日までの発表日ベースの数値と齟齬がないか、各都道府県において、改めてご確認をお願いいたします。
このような表に書かれている1日毎の感染者数が正しいか確認して、メールで返事をくださいという依頼です。
厚労省内の混乱ぶりが伺えます。
各都道府県や保健所から毎日バラバラとデータが出てきて、正確な数字が分からなくなってしまっているのでしょうか。
都道府県の担当者もいちいち大変そうです。
厚労省もこんな状況を改善しようと思っているようで、新型コロナの情報管理システムの導入を進めているようです。
新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(仮称)の導入について
新型コロナの感染者の情報を一元管理するシステムで、5月17日の週に全国で利用開始となっています。
これで保健所から都道府県にFAXを送る必要はなくなったのでしょうか。
関係される方々の労力が大幅に軽減されてミスがなくなることを期待します。
また、このシステムはいろいろな統計情報も得られるようです。
新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(仮称)の導入について
陽性率のグラフなども即日出てくるのでしょうか。
今後は正確なデータが迅速に公開されることを期待します。