新型コロナ、アストラゼネカのワクチンは大丈夫か?

アストラゼネカ製ワクチンの悪いニュースが頻繁に出てきます。いろんな要因がありそうですが、このワクチンはいろいろ気になります。

JIJI.COM (2021/3/12)
ワクチン接種停止相次ぐ アストラ製、血栓発症例受け―欧州

欧州各国が英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種を相次いで一時停止している。オーストリアで女性が死亡するなど接種後に血栓ができる例が複数報告されていることを受けた動き。
EMAによると、10日時点で欧州でアストラ製ワクチンの接種を受けた約500万人のうち、血栓塞栓症を発症したのは30人。EMAは現在も調査を続けている。
EMAは10日に「現時点で接種がこれらの病気を引き起こしたと示すものはない」と表明したが、デンマークは11日、自国でも死亡例が1件あったとして全てのアストラ製ワクチンの接種を2週間停止した。

これは徹底的に調査すべき事象ではないでしょうか。

血栓症に関しては、新型コロナの入院患者の1.85%、重症患者の13%が発症したというデータがあります。
(参考)NHK NEWS WEB(2020/12/19) 新型コロナ 重症患者の13%で脳梗塞などの「血栓症」発症

新型コロナに実際に感染した場合と同様の現象がワクチンでも起きたのか、それともワクチン固有の原因なのか、ワクチンではない別の原因なのか、明確にすべきだと思います。

これも「因果関係の証拠はない」で片づけてしまったら、ワクチン不信は永遠に解消しないと思います。

 
アストラゼネカのワクチンに関しては、これまでも度々報道がありました。

ワクチン治験参加者が回復、退院の可能性 脊髄炎の症状【朝日新聞(2020/9/10)】

女性は、脊髄(せきずい)の炎症を起こす「横断性脊髄炎」と一致する症状がみられた。

コロナワクチン接種後に高齢者死亡【Bloomberg(2021/1/19)】

高齢者向け介護施設入所者に優先的に接種を進めているノルウェーで、ファイザー・ビオンテックのワクチンの投与を受けた約4万2000人のうち33人が亡くなったと1月半ばに報告された。

ドイツ、アストラゼネカ製ワクチンの推奨対象から高齢者を除外【Bloomberg(2021/1/29)】

政府のワクチン評価作業を担う同委員会は、アストラのワクチンは他のワクチンと同様に機能するようだとしつつ、65歳以上の高齢者に対する有効性の情報が十分ではないと判断した。

南ア、アストラゼネカのワクチン接種を停止 変異株に効果小さいとの研究受け【BBC NEWS(2021/2/8)】

今回の研究は、同国のウィットウォーターズランド大学が約2000人を対象に実施した。その結果、オックスフォード大/アストラゼネカのワクチンは、新型ウイルス感染症COVID-19の軽~中症に対して「最低限の予防効果」しか発揮していなかったという。

この手の報道がファイザーのワクチンではほとんど出てこないのは、ワクチンの出来が良いからか(情報提供を含めて)、それとも隠ぺいしているのかは分かりませんが、いずれにせよ、アストラゼネカのワクチンは気になる事がいくつかあります。

一番はウイルスベクターのワクチンという点です。

元々分かっている事ですが、ベクターのウイルスが人に悪さをする懸念がどうしても残ってしまいます。

国立感染症研究所の記事 にこのような記述があります。

使用するウイルスベクターによっては, ヒトゲノムへのウイルスゲノム挿入変異による発がん, ウイルスベクターに対する既存免疫によるvaccine failure, ウイルスベクターそのものによる病原性, 低力価, などのハードルがある。

また、ワクチン接種によってベクターに対する免疫が出来てしまい、特に複数回の接種に対しては効かなくなる懸念があります。

AnswersNews (2021/3/3)
新型コロナ:ウイルスベクターワクチンが直面する「免疫」の壁

アストラゼネカ(英国)、ガマレヤ研究所(ロシア)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J、米国)の新型コロナウイルスワクチンは、別のウイルスを使って新型コロナウイルスと闘うワクチンである。これらのワクチンは各国で使用が認められているが、変異株に対応するため毎年接種することが必要になった場合、ワクチンの効果が失われる可能性があると研究者らは懸念している。

 
現在、ワクチンの効果が低下すると言われている変異ウイルスが次々と発見されていますが、今後、毎年ワクチンの接種が必要になった場合はどうするのでしょう?

メーカーはこんな試験をやっているようです。

HANKYORE(2021/2/22)
スプートニクとアストラゼネカのワクチンを結合、接種間隔を短縮

スプートニクV開発の資金と流通を担うロシア直接投資基金(RDIF)は20日、「スプートニクVをアストラゼネカのワクチンの2次接種に使えば、3カ月待つ必要はないだろう」とし「こうした方式の臨床試験がすでに始まっている」と明らかにしたとタス通信が報じた。アストラゼネカのワクチンは2~3カ月の間隔を開けて2回の接種が勧告されており、接種間隔が長い方が効果が高くなると世界保健機関(WHO)は明らかにしている。

接種間隔を短縮するのが目的のように報じられていますが、おそらくベクターの免疫対策の方が重要な気がします。

スプートニクVは、2度の接種で一般的な風邪のウイルスであるアデノウイルス5型と26型をそれぞれベクターとして用いる。アストラゼネカのワクチンは、アデノウイルス5型のみをもとにしている。チンパンジーから抽出したアデノウィルスにもとづくアストラゼネカのワクチンだけでは、臨床試験では効能が落ちるとの指摘もあった。

 
新型コロナワクチンでウイルスベクター方式のものは、現状このようなものがありますが、

アストラゼネカ(英国)(アデノウイルス5型)
スプートニクV(ロシア)(アデノウイルス5型と26型混合)
J&J(米国)(アデノウイルス26型)
カンシノ(CanSino BIO)(中国)(アデノウイルス5型)
IDファーマ(日本)(センダイウイルス)

IDファーマ以外の4社はアデノウイルスの5型と26型が使用されています。
これらの免疫が出来てしまったら、もう4社のワクチンは効かなくなってしまうのでしょうか?
型が違えば関係ないのかも気になります。

おそらく、新型コロナに対してはmRNAワクチンがあるので、接種するものがなくなることはないと思いますが、他の感染症のワクチンや将来の遺伝子治療などで選択肢が減ってしまう可能性はないでしょうか。
何も考えずにワクチンを接種して将来後悔することがなければいいですが。

 
ちなみに、
「J&Jのワクチンは1回接種すればいい」
と宣伝されていますが、実は、
「J&Jのワクチンは1回しか使えない」
ということではないでしょうか?

ウイルスベクターワクチンのメーカーや接種を推奨している政府機関は、変異ウイルスの対応や抗体の持続期間終了後の対応をどう考えているのか、説明すべきだと思います。