新型コロナ、アストラゼネカ製ワクチンの議論が再燃?

もう日本では使わないと思っていましたが・・・

東京新聞(2021/7/29)
アストラ製、40歳以上で検討 厚労省、「臨時接種」対象

英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省が、40歳以上を予防接種法上の「臨時接種」の対象として位置付ける方向で検討していることが28日、分かった。30日の同省のワクチン分科会で専門家の意見を聞く。

このニュースは政府が世論の反応を見るために流した情報だと思いますが、厚労省はどこまで考えて検討しているのでしょう?

欧州医薬品庁(EMA)のVaxzevriaのCOVID-19ワクチン安全性アップデート(2021/7/14) には、以下のアストラゼネカ製ワクチン接種後の有害事象が記載されています。

・ギランバレー症候群(GBS)
・免疫性血小板減少症(ITP)
・急性黄斑神経網膜症(AMN)
・心筋炎、心膜炎
・血小板減少症候群を伴う血栓症(TTS)

この中で、TTSは欧米の保険当局が統計的に無視できなくなって、ワクチンとの因果関係を認めていますが、他の症状も確率の問題かもしれません。

日本では厚労省の分科会で、「TTSは対処方法がある」と言って軽く考えている専門家もいるようなのが気になります。

その「対処方法」は以下だと思いますが、

日本脳卒中学会、日本血栓止血学会
アストラゼネカ社COVID-19ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き

 

担当する全ての医師がこの内容を十分理解して、一刻を争う状況で、ごく稀にしか起きないTTSに的確な対応ができるのか疑問です。
しかも、ある時突然起こる症状だと思います。
発症した時に誰にも発見されなかったら、どうしようもありません。
発見されても、救急車がたらい回しになる可能性もあります。
専門家の方には、そのような事も含めて説明してほしいです。

 
元々アストラゼネカのワクチンは、mRNAワクチンより有効性が劣ると言われていますが、デルタ株に対しても、その傾向は同様のようです。


FINANCIAL TIMES (2021/7/9)

この有効性の低さを補うために、ドイツでは2回目の接種をmRNAワクチンにすることを推奨しています。

AP通信(2021/7/2)
Germany recommends combination of AstraZeneca, mRNA shots

(Google翻訳)
ドイツは、アストラゼネカのコロナウイルスワクチンの最初の注射を受けたすべての人が、2番目の注射のために別の種類のワクチンに切り替えることを推奨しています。目的は、より伝染性の高いデルタ変異体が広がるにつれて、ワクチン接種の速度と有効性を高めることです。

ちなみにメルケル首相は、2回目はモデルナを接種したようです。

BBC NEWS (2021/6/23)
メルケル独首相、2回目はモデルナ製ワクチンを接種 初回はアストラゼネカ製

厚労省はどうするつもりでしょう?

 
また、アストラゼネカのワクチンはDNAを使ったウイルスベクター方式だということも、懸念の1つだと思います。

INTERNAL MEDICINE
SARS-CoV-2 vaccines: Lights and shadows

In case of viral vectors with DNA, an integration of the viral genome into the host genome has not been excluded.
DNAを含むウイルスベクターの場合、ウイルスゲノムの宿主ゲノムへの統合は除外されていません。

 
 
政府はワクチンが足りなくなって、なりふり構わずという感じがしますが、そもそも、なぜ足りないのか、はっきりさせるべきだと思います。

契約した数が入ってくれば、本当は足りるはずです。


首相官邸

ファイザーとモデルナを合わせて、2億4000万回分です。

日本の全人口を1億3000万人、12歳未満を1000万人とすると、接種対象人口は1億2000万人で、仮に7割の人が接種するとしたら、8400万人です。
なので、必要なワクチンの量は、
8400万人×2=1億6800万回分
です。
廃棄+αとして2割上乗せしたとしても、約2億回分です。

ワクチンが足りないのは、管理の問題ではないでしょうか?

アストラゼネカをどうするかより、まずは、全国の自治体が棚卸を徹底して、散在している在庫を集める方が先のような気がするのですが。

マスコミもこの点を追及しないのはなぜでしょう?

(参考)消えたワクチン問題