新型コロナ、ワクチンの有効性が怪しくなってきた

以前から分かっていた事ですが、最近、急にブレークスルー感染に関するニュースが増えてきた気がします。

CNN.co.jp(2021/8/6)
ワクチン接種後もブレークスルー感染でウイルス拡散の可能性 米CDC

米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は5日、新型コロナウイルスのワクチンについて、接種を完了した人でも新型コロナウイルスにブレークスルー感染(接種後の感染)をした場合にはウイルスを人に感染させることがあるとの見解を示した。
ワレンスキー所長は「我々のワクチンは素晴らしくうまくいっている」と強調した上で、世界で猛威を振るっているデルタ変異ウイルスに対するワクチン効果については「引き続きデルタによく効いている。重症化や死亡に関しては防止できる。だが、もはや感染を防ぐことはできなくなった」と指摘した。

必死になってワクチン接種の意義を強調しようとしているようです。
何か、焦りを感じますが・・

CNBC(2021/7/28)
Pfizer’s CEO says Covid vaccine effectiveness drops to 84% after six months

CEOのAlbertBourlaによると、ファイザーのCovid-19ワクチンの有効性は時間の経過とともに着実に低下し、2回目の接種から約4~6か月後にワクチン接種を受けた人々の約84%に低下します。

これより少し前にイスラエル保健省は、1月に接種した人の感染予防効果が16%だったという発表をしています。

i24news (2021/7/23)
Vaccine 39% effective at halting virus transmission, 91% against serious illness, Israel's health ministry says
イスラエルの保健省によると、ワクチンはウイルスの感染予防に39%、重篤な病気に対して91%の効果があります

イスラエルの保健省は木曜日に、デルタ変異体感染の予防におけるファイザーワクチンの有効性が39%に低下したと報告しましたが、ワクチン接種は完全に接種された人々の深刻な病気の予防に依然として91%有効でした。
最新の数値は、COVID-19のデルタバリアントがイスラエル全体に広がった6月20日から7月17日までに記録された症例に基づいています。
報告書はまた、ワクチン接種の効力の低下を反映しており、1月にワクチン接種された人の感染に対する有効性はわずか16%、2月にワクチン接種した人は44%、3月に接種した人は67%、4月に接種した人は75%でした。

イスラエル保健省のレポートはこれです。
Data Compiled by the Vaccine Operation's Supervising Committee Published
https://www.gov.il/BlobFolder/reports/vaccine-efficacy-safety-follow-up-committee/he/files_publications_corona_two-dose-vaccination-data.pdf

感染予防効果は、接種してから2~3ヶ月だと75%だそうですが、半年経つと16%まで低下してしまったそうです。
発症予防効果も似たような感じです。

重症化予防効果は半年経っても8割以上あるようですが、これも今後どうなるかは要注意だと思います。

 
ワクチンの効果に関しては、年齢による違いも気になります。

以下はイギリスの公衆衛生当局が公表したデルタ株の感染者のデータですが、50歳未満と50歳以上でかなり違いがあるようです。


SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England: technical briefing 20

分かりやすいように、50歳未満と50歳以上で分けて、ワクチンの接種回数別に救急搬送の発生率(入院あり・なし)と死亡の発生率を出してみました。

 
それぞれの発生率をグラフにすると、以下のようになります。

 
グラフにすると一目瞭然ですが、50歳以上の2回接種の人は未接種の人の3分の1位の発生率なのに対して、50歳未満の人は2回接種も未接種もほとんど変わりません。
また、50歳未満の死亡率は、ワクチンを2回接種した人の方が若干高くなっています。

つまり、50歳未満の人のワクチンの効果は、50歳以上の人より、かなり小さいか、ほとんどない可能性があるということになります。
元々重症化しにくい年齢の場合は、ワクチンの効果も出にくいということだと思います。

そもそも、新型コロナワクチンの有効性(特に重症化予防)は、年齢によって違うはずですが、そういう話が全く出てこないのは不思議です。

感染・発症予防効果がすぐ低下してしまい、集団免疫も期待できないのであれば、若者がワクチンを接種するメリットがどれだけあるのか、冷静に検討する必要があると思います。

 
また、上のデータの50歳以上の感染者数からも、ワクチンの感染予防効果がほとんど期待できないことが分かります。

イギリスでは8月1日時点(下図のWeek=30)で、50歳以上の8割以上がワクチン2回接種しています。


COVID-19 vaccine surveillance report: 5 August 2021 (week 31)

50歳以上の感染者数の割合を考えると、ワクチンの接種・未接種とはほとんど関係なく感染していると思われます。

 
冒頭のCNNの記事にこう書かれていますが、

ワクチンを接種する人が増えれば、今回の急増を抑える助けになるだけでなく、いずれもっと危険な変異株が台頭する事態を防ぐ助けにもなると専門家は話している。

ワクチンの感染予防効果はほとんど期待できない(できても一時的)ということが明確になったのに、どういう理屈で変異株を防げるのでしょう?

 
日本でも3回目接種の検討が行われているようですが、

東京新聞(2021/8/6)
ワクチン22年の追加接種を検討 政府が確保進める、変異株を懸念

政府は6日、新型コロナウイルスワクチンについて、2回の接種を終えた人に対する2022年の追加接種の検討を始めた。時間の経過に伴いワクチンの効果が低下する可能性が指摘されることや、感染力が強い変異株への対応を念頭に置く。

そんな国民の大多数がワクチンを毎年打ち続けないといけないような政策、上手くいくのでしょうか?