新型コロナ、ワクチン効果の低下が明確になってきた(その2)
イギリスでは10月以降、新型コロナの死者数の増加が続いています。
イギリス健康安全保障局(UKHSA)が先日公表したデータを見ると、新型コロナの死者の大多数は、ワクチン2回接種済みの高齢者だということが分かります。
COVID-19 vaccine surveillance reports (weeks 19 to 38)
COVID-19 vaccine weekly surveillance reports (weeks 39 to 44)
Week32-35からの死者数の推移をグラフにすると、こうなります。
ワクチン2回接種の高齢者が圧倒的に多く、その傾向は拡大しています。
人口10万人あたりで見ると以下のようになります。
未接種者の方が多い状況は続いていますが、その比率は徐々に小さくなっています。
(30代以下は誤差が大きいので省略しました)
これらのデータから、死亡(重症)に関しても、時間経過と共にワクチン効果が低下することは明らかだと思います。
イスラエルでは、8月からブースターの接種を始めて、すでに高齢者の7割以上が3回目の接種を終えているようです。
イスラエルは現在、夏の波が収束した状況ですが、これがブースターの効果によるものかは、この先の状況を見る必要があると思います。
このまま12月になっても死者数が増えなければ、ブースターが効いている可能性がありますが、どうなるでしょう?
アメリカもイギリスもドイツも、これからが重要な時期だと思います。
去年は10月頃から死者数が増え始めて、年末から年始にかけて急増しました。
欧米各国はブースターの接種を進めているようですが、そのブースターが実際にどれだけ効くかで、この冬の死者数が変わってくるような気がします。
いずれにせよ、年末年始はコロナ禍の大きな山場になりそうです。
ちなみに日本は、欧米のような死者数にはならない国だと思われるので、治療薬で対応すればいいのではないでしょうか。
ワクチンより、診断&治療を迅速に行う体制の方が、ずっと重要だと思います。