新型コロナ第5波、感染急減の理由は何だ?(その3)

第5波の「ゲノム変異の修復が困難になってウイルスが死滅していった」という説ですが、ちょっと気になることがあります。

東京新聞(2021/10/30)
ゲノム変異、修復困難で死滅? コロナ第5波収束の一因か

新型コロナウイルスの流行「第5波」の収束には、流行を引き起こしたデルタ株でゲノム(全遺伝情報)の変異を修復する酵素が変化し、働きが落ちたことが影響した可能性があるとの研究結果を国立遺伝学研究所と新潟大のチームが30日までにまとめた。
8月下旬のピーク前にはほとんどのウイルスが酵素の変化したタイプに置き換わっていた。
このウイルスではゲノム全体に変異が蓄積しており、同研究所の井ノ上逸朗教授は「修復が追いつかず死滅していったのではないか」と指摘する。

 
もう少し詳しい話がこちらにありました。

テレしず(2021/11/12)
感染者“激減”の理由 ウイルス研究者と感染症専門医の見解 マスクない生活はいつ戻る?

「NSP14」は修復酵素になります
井ノ上教授によると、ウイルスが増殖する際にゲノムをコピーすると、ミスで変異が起きることがある。ウイルスにはこの変異を修復する酵素があるが、この修復酵素の機能が低下するとウイルスに変異が蓄積されていく。
変異が蓄積されたウイルスは増殖できなくなり、死滅するということだ。
修復酵素の機能低下について井ノ上教授は、人間がもつ「APOBEC(アポベック)」という酵素が影響している可能性があるとしている。
特に アジアやオセアニアの地域の人が持つこの酵素は働きが活発といわれていて、日本のウイルス減少との関係が研究されている。



先日のブログ で引用したウイルスの「自壊説」の話の時は、RNAのコピーエラーが起きた可能性があるというところまででしたが、その原因がアポベックによるnsp14の修復機能の低下ということでしょうか。

そうだとしても、
8月になって、日本全国で一斉にアポベックが活発になったのか?
という疑問は残ります。
第5波自体がもっと小さい波で収まってもいいような気がします。

そこで気になるのが、イベルメクチンです。

Molecular Docking Reveals Ivermectin and Remdesivir as Potential Repurposed Drugs Against SARS-CoV-2.

nsp14へのイベルメクチンの非常に効率的な結合は、ウイルスの複製と集合を阻害する上でのその役割を確認します。nsp14が転写と複製に不可欠であることはよく知られています。それは校正エキソリボヌクレアーゼとして機能し、そのメチルトランスフェラーゼ活性によってウイルスRNAキャッピングにおいて役割を果たします。

イベルメクチンはnsp14に非常によく結合するそうです。
つまり、新型コロナに感染した人がイベルメクチンを服用すると、新型コロナウイルスのnsp14のゲノム修復機能を阻害する可能性があるということだと思います。

ということは、イベルメクチンがアポベックと同様の効果をもたらす可能性があるのではないでしょうか。

そうだとすると、新型コロナに感染した人がイベルメクチンを服用すると、nsp14のゲノム修復機能が低下したウイルスが体外に放出される可能性もありそうです。


Structural biology of SARS-CoV-2 and implications for therapeutic development

ただし、新型コロナに感染する前にイベルメクチンを服用した場合は、ウイルスの細胞内への侵入が阻止される可能性があります。
nsp14の修復機能の低下を期待できるのは、新型コロナに感染した後にイベルメクチンを服用した場合だと思います。

 
また、nsp14に関しては、このような研究結果もあるようです。

Mutations of SARS-CoV-2 nsp14 exhibit strong association with increased genome-wide mutation load

nsp14の変異は、コアポリメラーゼ複合体を形成するnsp7、nsp8、nsp12と比較して、選択圧なしに、ゲノム全体での変異負荷の増加と最も強い関連性があることが示唆された。

ちょっと理解しきれていないのですが、nsp14の変異は他の変異より優勢になりやすいということでしょうか。
そうだとすると、市中にnsp14が正常なウイルスと修復機能が低下したウイルスが両方存在する場合は、nsp14が正常なウイルスは淘汰されて、nsp14の修復機能が低下したウイルスが支配的になりそうです。

 
以上から推測すると、

1.新型コロナに感染した人がイベルメクチンを服用する
2.nsp14のゲノム変異の修復機能が低下する
3.nsp14の修復機能が低下したウイルスが体外に放出される
4.市中ではnsp14の修復機能が低下したウイルスが優勢になる
5.これらが8月以降、日本全国で同時多発的に起きて第5波の急減につながった

という仮説が成り立ちそうな気がするのですが、どうでしょう?
 

先日のブログ でも書きましたが、8月以降、イベルメクチンを服用した人が急増した可能性があります。
第5波急減のタイミングと一致します。
 

ちなみに、今、ヨーロッパでは感染拡大が大変なようですが、インドもインドネシアも、その気配はありません。


Our World in Data

イベルメクチンに市中の新型コロナウイルスを死滅させる効果があるとしたら、インドやインドネシアの状況も納得できる気がします。
 
これからの年末年始、日本はどうなるでしょうか。
このまま年を越して、春になっても変わらなければ、本当かもしれません。
(みんながイベルメクチンを服用した場合ですが・・)
 

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