政府がやりたいのは増税の景気対策よりキャッシュレス化と徴税強化ではないか?

消費税増税の景気対策で、中小の店でキャッシュレス決済した場合に5%のポイントを還元するという話は、メディアなどでも愚策だとか散々叩かれていますが、おそらく政府も本気でこれが景気対策になるとは思っていないのではないでしょうか。

「中小の店」の範囲がまだよく分かりませんが、狭めればほとんど意味がなく、広げれば多少景気に効果があっても、結局9カ月限定なので一時のイベントになって、その後落ち込むだけだと思います。(東京五輪不況がより悪化する)

そもそも、現状、どこのキャッシュレスのシステムも、中小の店だけポイントを増やす(しかも国負担ポイント)といった仕組みはないようなので、システム対応が間に合うのか? といった問題もあるようです。

そんな効果も実現性も疑問な政策をやろうとしているのは、政府が本当にやりたいのは景気対策ではなく、キャッシュレス化だと考えると納得できるような気がします。

経済産業省が作成した
キャッシュレス・ビジョン  の資料に、
「なぜキャッシュレスに取り組むのか」
が書かれています。

・実店舗等の無人化省力化
・不透明な現金資産の見える化、流動性向上
・不透明な現金流通の抑止による税収向上
・消費の利便性向上、活性化等

2回も出てきますが、政府は「不透明な現金」をなくしたいのだと思います。

また、資料には出てきませんが、現金の製造コスト削減も理由にありそうです。
財務省の資料 に、平成27年度の貨幣の製造経費が149億円と記載されています。
また、平成30年度の日本銀行券の製造枚数 から、一般的に言われているお札の製造コスト(1万円札と5千円札が約20円、千円札が約15円)で年間の紙幣の製造費用を計算すると、およそ520億円。
つまり、貨幣と紙幣の製造に年間700億円近くかかっていることになります。

政府がやりたいのは、
キャッシュレス化によって、
現金の製造コストを減らすとともに、
全ての取引やタンス預金を把握して、
徴税を強化する。
ということではないでしょうか。

そうならそうと、はっきり言えばいいと思うのですが、中途半端に増税の景気対策でやろうとするから、よく分からない愚策になってしまうのだと思います。

もしかしたら、政府が現金をなくしたい理由が他にもあって、言いたくないのかもしれません。

あくまでも推測の域を出ませんが、それは、将来のインフレへの備えです。
インフレになると現金は大量に必要になりますが、キャッシュレスなら関係ありません。
デノミをする場合もキャッシュレスなら新札を作る必要がありません。

日本の借金は1000兆円以上あるらしいですが、これを返済してもしなくても、いずれインフレになる可能性があると思います。
政府は絶対に口にはしませんが、密かに将来のインフレへの準備を進めているのかもしれません。