庶民の暮らしは厳しくなる一方だ

円安が止まりません

朝日新聞(2024/4/11)
円安止まらず153円台 「防衛ライン」突破も介入なし、高まる警戒

円安が止まらない。政府と日本銀行による為替介入の「防衛ライン」とみられていた水準を突き抜け、一時は1ドル=153円台まで急落。介入をめぐる市場との緊張感はさらに高まった。ただ、米国が利下げに転じない限り、円安圧力は続くとの見方が強い。


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いつもの財務大臣の口先介入もむなしく聞こえます。

NHK NEWS WEB (2024/4/12)
円安 鈴木財務相「過度な変動 あらゆる手段を排除せずに対応」


 
外国為替市場で進む円安について、鈴木財務大臣は閣議のあとの記者会見で、輸入価格の上昇を通じて消費者などの負担増につながるとしたうえで、為替相場の過度な変動に対してはあらゆる手段を排除せずに対応する考えを改めて示しました。

ユニクロの柳井会長も懸念を訴えています。

TBS NEWS DIG (2024/4/11)
円安に柳井会長「日本にとって良いわけないですよね、これ」企業経営者から懸念の声



 
ファーストリテイリング 柳井正 会長兼社長
「我々の会社だけではなく、(円安が)誰にとっても日本にとっても良いわけないですよね。世界の中の日本、円安になること自体を喜ぶような人はちょっとおかしい」

海外事業が好調で円安の恩恵を受けていると思われるファーストリテイリングの柳井会長がこのような発言をするのは、円安が日本にとって本質的に良くないことを分かっているからでしょう。

もはや日本はフィリピンより安い国になってしまったようです。

FNNプライムオンライン(2024/4/11)
訪日客「旅費も食費もフィリピンより安い」 円安加速で34年ぶり153円突破 米国産ステーキ店“仕入価格が約10年で3倍”

日本で旅行を楽しんだ外国人は「USJや大阪の街で買い物したけど、全部アメリカより安かったよ」、「旅行代も食べ物もフィリピンより安いんだ、ビックリしたね」などと話した。

 
円安の要因の1つに日米の金利差がありますが、金利差が縮まる気配はありません。

日本経済新聞(2024/4/4)
米インフレ再燃に警戒感 円相場迫る152円、金は最高値

米国のインフレ再燃への警戒感が金融市場で高まっている。底堅い経済情勢や原油高を背景に予想インフレ率は上昇基調を描く。利下げの先送りの観測で米長期金利が上昇しており、円相場は対ドルで152円が迫る。インフレリスクを回避するための需要で金価格は最高値を更新した。


 
消費者物価指数(CPI)など102月の物価指標は市場予想を上回り、物価上昇率の下げが鈍っている。1日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が1年半ぶりに「好況」水準にまで回復するなど、最近の経済指標は堅調な米経済の姿を示し、インフレ圧力のしぶとさが改めて意識された。

地政学リスクの高まりに伴う原油価格上昇も影響する。BEIは原油価格と連動しやすい性格を持つためだ。中東情勢の緊迫化などを材料にWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は3日に一時1バレル86ドル台に上昇。年初から2割近く上昇している。

 
このグラフも気になります。


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MarketWatch(2023/10/22)
Inflation is following an ‘eerily similar’ path to the one taken in 1966-82

インフレは1966年から1982年に辿った道と「不気味なほど似た」道をたどっている

インフレ率は1970年代と1980年代には10%をはるかに上回っていたが、今回は昨年6月の9.1%でピークに達した。しかし、どちらの時期も、その後インフレは低下し、その後中東で厄介な事態が起きた。 1970年代に米国とその他の少数の国に課せられたアラブ石油禁輸措置は、70年代後半から1980年代初頭にかけて第2次のインフレに移行した。今回、イラン外相はイスラム諸国に対し、石油輸送の停止などイスラエルをボイコットするよう呼び掛けた。

 
今、米国ではインフレの再燃が警戒され、中東ではキナ臭さが増しています。

Bloomberg(2024/4/12)
国際原油価格、再び90ドル乗せ-イランのイスラエル攻撃が近いとの観測

国際原油価格がアジア時間12日の取引で反発し、北海原油代表油種ブレント先物相場は1バレル=90ドル台に再び乗せた。

イスラエルがシリアの首都ダマスカスのイラン大使館領事部をミサイル攻撃し、革命防衛隊の司令官ら7人が死亡したことへの報復として、イランが24時間ないし48時間以内にイスラエルの南部または北部を直接攻撃する可能性があり、イスラエルが攻撃に備えていると米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

原油価格は約70ドルで下げ止まった後、じわじわ上昇しています。


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この後、とんでもないインフレがやってくるのでしょうか・・

米国でインフレが再燃したら、利下げどころか利上げになって、日米金利差が拡大して、さらに円安が進行する可能性があります。

当然、原油価格の上昇は日本の物価上昇にも直結します。

庶民の暮らしは厳しくなる一方です・・