新型コロナ、ワクチンを打てば安心できるのか?

日本でも新型コロナのワクチン接種への動きが本格化するようですが、ワクチンの効果が気になります。

現状、新型コロナワクチンの効果は、「主に発症や重症化の予防」となっています。
 
厚生労働省 新型コロナワクチンについて

新型コロナワクチンは、主に発症や重症化の予防が期待されています。
様々なワクチンが、感染症に対する免疫をつけたり、免疫を強めるために接種されています。
これにより、個人の発症・重症化予防や、社会全体での感染症の流行を防ぐことが期待されています。
新型コロナワクチンについても、重症化を防いだり、発熱やせきなどの症状が出ること(発症)を防ぐことが海外では明らかになっており、英米などで緊急接種が行われています。

 

 

新型コロナウイルスワクチンの副反応の収集・評価について

日本で接種が予定されている3社のワクチンは、いずれも90%以上の有効性があったようですが、それは「発症予防」の有効性です。
「感染予防」の有効性ではありません。

もし、ワクチンに「感染予防」の効果がないとしたら、無症状の感染者がどんどん増えてしまう可能性があると思います。
そして、まだワクチンを接種していない人に感染させてしまうかもしれません。

ワクチンを接種した人の間でも、ウイルスが脈々と生き続けて、抗体が減ってきた時に突然発症するようなことがあると、ワクチンを接種したからと言って、なかなか安心できる状態にはならないのではないでしょうか。

新型コロナワクチンの「感染予防」の有効性が気になります。
 
 
また、以前から言われているワクチンの懸念もあります。
ワクチンを接種しても抗体が中途半端な量しかできていないと、かえって症状が悪化してしまう可能性です。

日本経済新聞(2020/4/1)
ワクチンが効かない? 新型コロナで浮上する抗体問題

順調に進んでいるワクチン開発だが、実用化に向けた懸念もある。その1つが、ワクチンの接種などにより起こりうる「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象だ。本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進。その後、ウイルスに感染した免疫細胞が暴走し、あろうことか症状を悪化させてしまうという現象だ。

医学界新聞(2020/10/19)
新型コロナウイルスワクチンの米国における現状と今後

現在COVID-19ワクチンで最も懸念される副反応は,ワクチンによって逆に感染が悪化してしまう病態であるVaccine-enhanced diseaseであり,
抗体依存性感染増強現象(Antibody-dependent enhancement:ADE)および
ワクチン関連増強呼吸器疾患(Vaccine-associated enhanced respiratory disease:VAERD)の2つに分けられます。

 
イギリスではワクチンの2回目の接種の時期を遅らせて1回目の接種人数を増やそうとしていますが、ADEのようなことが起きないか気になります。

産経新聞(2021/1/8)
ワクチン接種間隔めぐり英政府とファイザーが対立 新型コロナ

米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種方法をめぐり、英政府とメーカー側の意見が分かれている。同ワクチンは1人につき2回の接種が必要だが、英政府は多くの国民に1回目の接種を行き渡らせるため2回目の時期を遅らせる方針なのに対し、ファイザーは英政府が掲げる方法は「安全性が検証されていない」と懸念を示している。

 
ロシアでは、ワクチンを接種する人は2ヶ月間飲酒を控えるように言われているようですが、これもADEの関係でしょうか?

読売新聞(2020/12/24)
ワクチン接種で「2か月飲酒控えて」、ロシア国民「それなら無理」と反発

ロシア政府が、新型コロナウイルスの国産ワクチン「スプートニクV」の接種にあたり、「2か月は飲酒を控えて」と呼びかけたところ、国民の反発を招いている。当局は近く接種対象を高齢者らに広げる予定で、「1杯なら問題ない」などと火消しに追われている。

 
リトアニアでは1回目の接種後に感染が確認されたそうですが、この人達の今後も気になります。

東京新聞(2021/1/17)
新型コロナのワクチン接種後に集団感染? リトアニアの医師ら79人 米製薬大手ファイザーなどが開発

リトアニアの首都ビリニュスの病院で、医師ら79人が新型コロナウイルス向けワクチンの1回目の接種後、新型コロナに感染していたことが分かった。

 
いずれにせよ、新型コロナのワクチンは、もうしばらく様子を見たい気がします。
 

日本経済新聞(2021/1/19)
河野規制改革相、ワクチン「一日も早い接種に全力」

河野太郎規制改革相は19日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種について「国民が安全で有効なワクチンを一人でも多く、一日でも早く接種できるよう全力を尽くす」と強調した。自身の役割に関し「輸送や保管、(接種する)会場の設定などを担当する」と説明した。

1人でも多く早く接種するためには、輸送や保管も重要ですが、多くの人が「接種したい」と思うようになることも重要だと思います。

政府には接種先進国の状況など、ワクチンの正確な情報が迅速に提供されることを期待します。