Pfizer/BioNTechの新型コロナワクチン候補(BNT162a1,BNT162b1,BNT162b2,BNT162c2)

現在、世界各国で接種が行われているファイザー/ビオンテック社の新型コロナワクチンは"BNT162b2"ですが、これは4つの候補の中から選ばれた1つです。


BioNTech’s SARS-CoV-2 vaccine candidates and their characteristics

BNT162a1は、uRNAでスパイクタンパク質のRBDのみ
BNT162b1は、modRNAでスパイクタンパク質のRBDのみ
BNT162b2は、modRNAでスパイクタンパク質全体
BNT162c2は、saRNAでスパイクタンパク質全体

となっています。


BioNTech’s SARS-CoV-2 vaccine candidates and their characteristics

uRNA、modRNA、saRNAそれぞれの違いは以下のようになっています。


BNT162 COVID-19 Vaccine Update on Clinical Development Program April 2020

 
mRNAのウリジンを1メチルシュードウリジンに変更(uRNA→modRNA)することで、免疫反応を抑えて目的のタンパク質を大量に産生できるようになります。


RONZA 続・コロナの革命的ワクチンを導いた女性移民研究者

マウスの実験では、ウリジンを1メチルシュードウリジンに置き換えたところ、タンパク質の量が約20倍になったそうです。


Nucleoside-modified mRNA vaccines induce potent T follicular helper and germinal center B cell responses

saRNA(Self-amplifying:自己増幅RNA)は、細胞内でRNAが増幅(複製)されるタイプです。
ワクチンの投与量を減らすことができるようになるそうです。
マウスの実験では、タンパク質発現のピークが8日目でmRNAの5倍になったそうです。



Self-Amplifying RNA Vaccines Give Equivalent Protection against Influenza to mRNA Vaccines but at Much Lower Doses

 
現在、ビオンテックはブースター(3回目接種)の準備を進めているようですが、それもBNT162b2になるようです。


BioNTech Next Generation Immunotherapy June 2021