新型コロナ、デルタ株にワクチンは効くのか?

デルタ株の感染が拡大しているイギリスですが、ワクチンの効果に関して気になるデータがあります。

イギリスの公衆衛生当局(Public Health England)の調査報告書です。

SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England: technical briefing 17

この中に、2021/2/1~6/21の期間のデルタ株の感染者のデータがあります。


 
トータル92029人のうち、ワクチン未接種が53822人、1回接種が約2万人、2回接種が7235人です。
ワクチンを2回接種した人の割合は1割以下なので、何となくワクチンの効果が出ているような気がしますが、問題は次の死者数です。


 
トータル117人のうち、ワクチン未接種は44人、1回接種が20人、2回接種が50人です。
ワクチン未接種より2回接種した人の方が多く亡くなっています。

ワクチンの2回接種率は最近6割になりましたが、2月からの期間で考えると、2回接種人口が極端に多いというわけでもありません。


Vaccination uptake, by report date

ワクチン接種の1番の目的は重症化予防なのに、2回接種した人の死亡が一番多いというのは、ワクチンが効いていないということでしょうか?

全体の死者数がそれほど多くないのは、ロックダウンの効果なのか、それともデルタ株の毒性があまり強くないのか、季節要因なのか、よく分かりませんが、ワクチンとは関係ないかもしれません。

ワクチンの効果を冷静に見る必要がありそうな気がします。