紙の保険証廃止でマイナンバーカードを事実上義務化

現状のままでは困る人が続出しそうな気がします。

TBS NEWS DIG (2022/10/11)
紙の健康保険証24年秋に原則廃止、マイナンバーカード事実上義務化へ あさって政府発表

複数の政府・与党関係者によりますと、政府は紙の健康保険証を2024年秋にも原則廃止する方向で検討を進めているということです。
去年の10月からマイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」が導入されていますが、紙の保険証廃止後はそちらに一本化する方針です。

マイナンバーカードの保険証対応のメリット・デメリットはいろいろありそうですが、事実上義務化になって選択の余地がなくなると、結構困る人が出てくるのではないでしょうか。

まずは、マイナンバーカードの取得のハードル。

各自治体は駅前とかイオンモールとか、人が集まりそうな場所でマイナンバーカードの出張申請受付をやっているようですが、それより、自分で申請場所や交付場所に行けない人のサポートが必要だと思います。


マイナンバーカード出張受付告知

世の中、健常者だけではありません。
長期入院中や高齢者施設の入居者、自宅から外出するのが困難な人など、誰かのサポートがないと手続きできない人は少なくないと思います。

特に、マイナンバーカードの申請より交付(受け取る時)の方が問題だと思います。
出来上がったカードを代理人が受け取る時は、写真付きの本人確認書類が必要なことになっているので、写真付きの本人確認書類がない場合は受け取ることができません。


マイナンバーカードを受け取る

私の親もそうですが、写真付きの身分証明書を1つも持っていない高齢者は、それほど珍しくないのではないでしょうか。
そのような人は、自分で役所に行けない場合はマイナンバーカードを取得できないようになっています。

このままでは、マイナンバーカード難民が続出しそうです。

自治体によっては、出張申請と出張交付を行っている所もあるようですが、全市町村で常時、個別訪問も含めて実施する必要があると思います。

マイナンバーカード取得促進の取組 高知県東洋町の取組事例

社会福祉協議会に町職員が赴いて、デイサービス利用者に出張申請受付を実施
後日、再度赴いてカードを一括交付

デイリー新潮の記事によると、申請率は5割を超えていますが、交付率は47%だそうです。
受け取りたくても受け取れないケースもあるのではないでしょうか。

デイリー新潮(2022/10/3)
マイナカード、なぜ交付率が上がらない? 取得に「二つの障壁」が

「マイナカードの申請率に対して交付率は約47%です。なぜこのような“差”があるのかというと、受け取りに行くのが面倒になって、交付期限の過ぎたカードが廃棄されてしまう件数が増えているからです」

 
また、現状、保険証を預かって一括管理している施設がどう対応するのかも気になります。

高齢者施設などは、入居者の保険証を施設が預かって管理している場合があります。
マイナ保険証に一本化されたら、施設がマイナンバーカードを預かって管理するのでしょうか?

総務省 マイナンバーカード

マイナンバーカードは、金融機関等本人確認の必要な窓口で本人確認書類として利用できますが、個人番号をコピー・保管できる事業者は、行政機関や雇用主等、法令に規定された者に限定されているため、規定されていない事業者の窓口において、個人番号が記載されているカードの裏面をコピー・保管することはできません。

 
以前のブログでも書きましたが、
マイナンバーカードを身分証や保険証にするならカードの裏面問題を対策すべき
そもそも「マイナンバー」は、人に見せてもいいものなのでしょうか?
「マイナンバーカード」は、人に預けてもいいものなのでしょうか?

政府は「マイナンバー」と「マイナンバーカード」の扱い方について、明確に説明すべきだと思います。