東京五輪が中止の場合、日本がIOCに賠償金を払う必要があるのか?

東京五輪中止の気運が急速に高まっているようです。

スポーツ報知(2021/5/7)
バッハ会長、5・17来日見送りも 米紙は痛烈批判「ぼったくり男爵」 IOC委員は「開催国を食い物に」

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に対し、新型コロナ禍で東京五輪開催を強要しているなどと米国で非難が相次いでいる。有力紙ワシントン・ポストは5日に日本政府に五輪の中止を促しバッハ氏を「ぼったくり男爵」と痛烈に批判。バッハ氏は17、18日に広島県での聖火リレーに合わせて来日の意向を示していたが、4都府県での緊急事態宣言の延長が見込まれることや、歓迎ムードにないことなどから来日を見送る可能性が出てきた。

コラムでは大会開催を前進させている主な要因を「金だ」とした。IOCは収益を得るための施設建設やイベント開催を義務付け、「収益のほとんどを自分たちのものにし、費用は全て開催国に押し付けている」と強調。コロナ禍で開催に向けて腐心する日本政府に対しても、五輪を中止する「損切り」を訴えかけた。

同紙では日本の世論調査で7割以上が中止・再延期を求めている現状や、多くの医療従事者に負担を強いることなども指摘。「コロナの世界的大流行の中で国際的なメガイベントを主催することは不合理な決定」と断言し、「五輪のキャンセルは苦痛だが、スッキリする」と結んだ。

(ワシントンポストの記事)
Japan should cut its losses and tell the IOC to take its Olympic pillage somewhere else

 
世論は中止か延期に傾いているのが明確になっているにも関わらず、日本政府が「安心安全にやる」と言い続けているのは、おそらく、開催都市契約が理由の1つと思われます。


開催都市契約2020

以前から言われていますが、著しく不平等な契約です。

(参考)
東京オリンピックの開催都市契約は驚愕の不平等契約になっている

9.IOCに対する請求の補償と権利放棄
(一部抜粋・要約)
開催都市、JOC、大会組織委員会は、IOCとIOCの子会社、その他IOC関係者を、
IOCが被るすべての損害、申し立て、訴訟、損失、費用、支出、および/またはあらゆる性質の責任から、
常に補償し、防御し、かつ害が及ばないようにし、また免責する。

IOCまたはIOCの関係者が損害を受けたり、訴えられたりした時は、開催都市とその国が全責任を負うことになっています。

東京五輪の中止の決定権はIOCにありますが、その決定によってIOCが第三者から損害賠償を請求された場合は、それを日本が補償するという極めて理不尽な条文です。

 
朝日新聞(2021/4/15)
IOC以外が五輪中止判断なら…日本に賠償請求の可能性

開催都市契約に詳しい弁護士の松本泰介・早大准教授は、「開催都市契約書には開催義務を免除する条項も、不可抗力条項もない。IOCが契約を破棄しない限り、日本側には開催義務がある」と指摘する。
不可抗力条項とは、当事者に責任がない理由で契約を実現できなくなった場合に、どちらの責任にもならないよう明記する取り決め。国際的な契約では含まれることが多いが、五輪の開催都市契約にはない。
そのうえで、「IOC以外が中止を決めた場合、IOCが日本側に損害賠償を請求する可能性がある。裁判になった場合、損害額の全額が日本側の責任と認められるとは限らないが、まったく責任がないということにはならないのではないか」と話す。

そもそも契約に不備があるということでしょうか・・
それはそれとして、開催中止を決定できるのはIOCなので、IOC以外が中止を決めることはないはずです。
日本が故意に中止せざるを得ない状況を作った場合は、日本に賠償の責任が生じるということでしょうか。
新型コロナの感染拡大は不可抗力なので、それが原因で中止になっても日本に責任はないような気がします。

71.予測できない、または不当な困難
(一部抜粋・要約)
本契約の締結日には予見できなかった不当な困難が生じた場合、
大会組織委員会はその状況において合理的な変更を考慮するようにIOCに要求できる。
ただし、当該変更が本大会またはIOCに悪影響を与えず、IOCの裁量に委ねられることを条件とする。
IOCは当該変更に考慮、同意または対応する義務を負わない。

東京五輪を中止するかしないかは全てIOCの裁量・責任です。

日本はIOCが中止を決定するまで粛々と準備を進めたにも関わらず、IOCが賠償金を請求してきたら、そんなものは突っぱねればいいのではないでしょうか。

まるで人の弱みに付け込んでカネを要求するマフィアのような行為だと思いますが、IOCのボッタクリぶりを国際世論に訴えるのがいいと思います。